2008年4月9日水曜日

第二十六段 インド・アフリカ連携

インド・アフリカ諸国首脳会議。ほんの十数年前ならば、非常に失礼ながら貧乏人同士の寄り合い程度の認識しか持たれなかったであろうこの会議ですが、今や状況は大きく変化しています。インドの経済的躍進はよく知られた話ですが、一方のアフリカ諸国もコモディティ価格高騰の波に乗って経済活動が今までに(少なくとも近代以後には)ない活況を呈しています。
そんな中で開かれた当該会合(開催地:インド)に於いて、シン・インド首相が「インドはアフリカ諸国の豊富な天然資源や食料にアクセスする見返りに、低コストのサービスや産業に関する技術を提供する方針」を述べたというニュースを目にした時、管理人は思わず「これぞ妙手!!」と唸ってしまいました。その理由は以下の通りです。

1.コモディティ(特に農産物)のインド国内への安定供給に繋がる。
2.WTO等の貿易交渉に於いて先進諸国の農業保護政策をより強く攻撃することが可能になり、別分野での妥協を引き出し易くなる。
3.国連に於ける大票田たるアフリカ諸国との経済的連携を強めることで、国連改革で常任理事国入り等の問題をインドに有利な形で進め易くなる。
4.「見返りとして技術提供」を前面に押し出すことで、とかく「アフリカから富や資源を収奪するのみで地元に何の見返りも与えない」と批判されがちな欧米や中国との違いを鮮明にし、インドの国際的イメージ向上に役立つ。

「一石二鳥」という言葉がありますが、正にそれを地で行く様な今回のインドの動き。『実利論』のDNAは今なお健在のようです。

<元ネタ>
2008.04.08 ロイター