2008年4月18日金曜日

第三十段 雨の強い日に思ったこと

本日は朝っぱらから強風を伴った雨。
「雨が降ったらお休み」なのは南の島の大王のみで、一プロレタリアートたる管理人には縁のない話。高温多湿の通勤電車、傘を差しているのに降りかかってくる雨粒に軽い逆上を覚えての出勤である。思わず温帯多雨気候に位置する日本列島に恨み言の一つでも呟きたくなるが、地球規模で見れば年間を通して一定量の降水(冬季の降雪含む)がある地域というのは、意外に少ない。現在のユーラシアでは中国華北部から中央アジアやインド北部、そして中東に至る広い地域が乾燥に覆われている。アフリカやオーストラリアは言うまでもなく、南北アメリカ大陸でも森林地帯の開発や過放牧・過耕作によって多くの地域が砂漠化しつつある。

「20世紀は石油で戦争が起こった。21世紀は水で戦争が起こるだろう」と喝破したのは国連の誰だったか。名前は忘れてしまったが、その言葉は実に黙示録的である。中東に何本も走っている政治的亀裂の多くに隠れた課題として「水問題」が含まれていることは多くの指摘があるし、中国で発生している農民と企業の水利権争い、水質汚染や砂漠化の問題も近年マスコミの注目を集めている。その他、日本が輸入している食料品を生産するためにどれだけの水が消費されているかというマイル・ウォーターもまた然りである。

つまり水というのは有限、代替物の開発が望めない(石油や鉱物等との最大の違い)、分布が偏在している、汎用性が高いといった特徴を持つ資源として考えることが出来る。従って、水を石油や鉱物と同様に国際的影響力を高めるためのカードとして使用することが可能ではないか。だが、水資源に恵まれた(或いは恵まれたが故に)日本が、体系的な水戦略を構築している様子はない。むしろ農業問題や環境問題の絡みでおまけ程度に言及される程度である。

国内に於いては水資源の再生・浄化技術の振興、水資源確保という観点からもう一度、治水や農林産業のあり方を問い直しを行うべきだ。国外に於いてはカナダやブラジル、ロシアといった水資源に恵まれた諸国との間で水戦略の協議体を発足させるのも一案だろう。