2008年4月25日金曜日

第三十八段 シリア-北朝鮮・核コネクション

最近になってシリア-北朝鮮・核コネクションをめぐる動きが活発化してきた。元々北朝鮮を起点とする核拡散の脅威は、パキスタンやイラン、シリアの核開発やそれに係る疑惑の中で度々語られてきた。そして2007年9月にはイスラエルがシリア領で空爆を実施し、それが「北朝鮮支援下で建造された核施設を狙ったものだ」という話がまことしやかに語られ、その一方でイスラエルや米国は公式には沈黙を守り続けて今日に至っていた。

その米国政府が、本日、「北朝鮮の対シリア核開発協力」について「危険な示威行動である」との声明を発表した。前日には、シリアの核施設とされる施設へのイスラエル空爆(昨年9月発生)について議会秘密公聴会が開催されている。最近のブッシュ政権の対北朝鮮政策については、ライス-ヒル・ラインで主導されている(とされる)対北朝鮮融和の動きが目立ち、その背景として「任期僅かとなったブッシュ大統領は、イラク失政を糊塗できるだけの派手な遺産作りを焦っているのだ」という旨の説明が往々にしてなされてきた。それに対して今回の動きは、単純に考えれば、北朝鮮との融和路線を主導してきた(とされる)ライス-ヒル・ラインには逆風である。チェイニー副大統領を中核とする(とされる)対北朝鮮強硬派の巻き返しが進んでいるのだろうか。

或いは、中東に目を転じれば、トルコがシリアとイスラエルの仲介に積極的に動いている模様。この動きが仮に米国にとって「中東に於ける米国外し」に繋がるものだと映ったなら、今回の一件はそんな動きに対して「米国抜きでの中東新秩序形成は看過できない」ことを示すための牽制球という考え方も出来る。最近になってカーター元大統領がハマス指導者と会談を持ったり、ブッシュ大統領が「パレスチナ国家の重要性」について言及しているのも、同様に「アメリカ抜きの中東秩序はあり得ない」というメッセージなのかもしれない。

<元ネタリンク>
2008.04.25 日経ネット