2008年4月22日火曜日

第三十六段 UAEの核開発(民生用)

UAEが米国と民生用原子力開発協力協定を締結した模様。UAEは過去にフランスと原子力開発協力協定を結んでいる他、GCC内でも共同で民生用原子力開発を推進する合意が成立している。

UAEのメリットとしては、価格高騰の進む石油・天然ガスの国内消費を抑制してより多くを輸出に回すことが可能になる点、ポスト化石燃料を見据えた産業育成のための技術・人材育成を促進できる点があるだろう。米国としては、経済的な側面は勿論、ペルシャ湾の向こう側―イランの核開発を睨んだ措置の一貫として今回の協定を結んだものと考えられる。

もし、中東に親欧米的なUAEをハブとして民生用原子力開発体制 を構築し、イランに対してそれへの参加を呼びかければ、イランがこれに応じた場合は同国の面子を潰すことなく中東に於ける核兵器拡散を防止できる他、 UAEを一種の仲介役として恒常的な米国・イラン間の接触ルートを確立することで、両国の疑心暗鬼が地域の安定に与える悪影響の緩和に役立つだろう。一方でイランが呼びかけを拒否した場合は、国際世論に対して「イランの核開発はやはり軍事目的ではないのか」との疑念をより強く植えつけるとともに、欧米諸国あるいはイスラエルが軍事オプションを選択した場合、その行動を「考えられる平和的解決策はあらかた試した末での行動」としてより正当化し易くなるだろう。

今月4日にはゲイツ米国防長官のオマーン訪問。6日にはクウェート首長のサウジ訪問。15日にはイスラエル外相がカタールを訪問。ここ最近のイラクに於けるシーア派民兵組織の活動活発化とハマスの対イスラエル攻撃活発化。そして今回のニュース。何やらペルシャ湾一帯が騒がしくなってきたように思えるのは気のせいだろうか。こうなるとシリアとヒズボラの動向も気になってくる所である。・・・などと思っていたら、本日、日本政府は3月の国連安保理で決議された対イラン追加制裁決議に基づき、イラン核開発問題に関与していると見られる団体・個人の資産凍結リストに、12団体、13個人を追加することを閣議決定したとのニュースが・・・。このタイミングは偶然の一致なんだろうか。

<元ネタリンク>
2008.04.22 日経ネット