2008年5月13日火曜日

第五十一段 四川省にて地震のこと

中国四川省でM7.9の地震が発生しました。管理人としては、四川省の天然ガス生産への影響、地震対策による中国内のインフレへ の影響、胡錦濤政権への影響、この三点が気になります。

まず天然ガスへの影響ですが、四川省は天然ガス埋蔵量で中国全体の約40%、産出量で約22% (2006年時点)を占める一大生産地です。現時点で生産・精製施設等への影響は不明ですが、ここのダメージが大きいようだと、今後、中国内の経済活動を萎縮させる一方で国際的にはエネルギー資源の供給逼迫感を強め、原油や石炭の価格にも影響が波及し、国際的なインフレ懸念をより強めかねません(地震直後には各発電施設の運転停止からエネルギー需要後退が浮上してWTIの下落要因となりましたが・・・)。また、四川省は時価総額世界最大級企業ペトロチャイナの勢力圏(正確に言えば、親会社である中国石油天然気集団(CNPC)の勢力範囲)であり、当然少なくない権益や施設が存在しています。そんな地域が大地震に見舞われたわけですから、上海や香港市場の動向も気になります。(因みに今日時点では上海は昨日比で下落したのに対し、香港は寧ろ上昇してましたねぇ)。

次に中国内のインフレに対する影響ですが、地震被害からの復興政策を考えると、省政府は勿論、北京政府も何らかの財政出動を行う可能性が高いと思われます。引き締めに動いている金融政策も一時的な休止若しくは緩和に向かって動きかねません。そうなると、ただでさえ進行しているインフレを更に加速させてしまうことになるでしょう。中国有数の穀倉地帯でもある四川省が災害に見舞われたことで、中国内外の農産品価格上昇が加速される可能性もあります。

最後の政権への影響については、今の時代に「天人感応説」をとるわけではありませんが、大規模災害によって社会や行政機構の不備、矛盾が満天下に晒されてしまうことにより、それに対する批判が現政権の求心力を削ぎ落としてしまうことは珍しくありません。その上、災害対策の初動で政権が躓いた場合、それが政権のレームダック化の始まりともなることは某超大国の例を見ても明らかでしょう。逆に現政権が、災害で露呈した問題点を上手く前政権や対立集団の責任として擦り付けることに成功したり、災害の被害最小限化に成功した場合は、政権基盤はより強化される結果となります。その意味では、胡錦濤政権或いはその対抗勢力(上海閥や太子党)に とって今回の地震は、一つの分水嶺になるかもしれません。

そういえば、四川省ってチベット族も多数居住している地域なんですよねぇ。果たして今後どうなることやら・・・。( ̄△ ̄;)