2008年6月9日月曜日

第六十三段 原油にまつわるエトセトラ

以前、何段かで「温暖化を背景に北極圏が新たな資源開発のフロンティアとして浮上しつつある 」的なことを記しましたが、それに関連したニュースがブルームバーグで報じられておりました。

内容は「BPやコノコ・フィリップがカナダ領北極圏で石油掘削権を取得」というもの。落札額はBPで約12億カナダドル、コノコで約250万カナダドル(それぞれ米ドルに換算しても同じ位の額)。特にBPの力の入れようが分かるというものですが、確かにカナダなら開発が軌道に乗ってから後出し的に権益を国有化されるという某国の様な暴挙も心配する必要もありませんし、原油価格高騰で開発の損益分岐点も下がっていることを考えれば、多少高い金額を出してでも埋蔵資源を押さえに行きたいということなんでしょう。(出典:ブルームバーグ)

そう言えば油田開発で思い出しましたが、莫大な推計埋蔵量で注目を浴びるブラジル沖海底油田の開発費用が、総額で2400億ドルに達するとか。この金額、日本の政府予算約8000億ドルと比べると、決して小さな金額ではないことが分かります。 ペトロブラスがどうやって巨額の開発資金を調達してくるのか、サブプライムの毒沼で苦悶する金融機関の中でどこがこのディールに喰らいついてくるのか、 興味は尽きません。因みにブラジルが有する海底油田の中でも、西半球最大規模の油田とされるトゥピ油田の推計原油埋蔵量は60億~80億バレル。単純に開発費/バレルで計算すれば、1バレル=30ドル~40ドルが損益分岐点。現状のWTIを見れば困難はあったとしても充分に元が取れる水準・・・。
(出典:ブルームバーグ)

それにしても、カナダやブラジルが石油大国として語られるなんて、数年前には思いもよらなかったことです。いや、タールサンドや北極圏油田、海底油田といった話は 結構昔からあった話ですが、それが採算ベースに乗ってくるなんて自分も含め大方の人は予想していませんでした(それだけ牧歌的な時代だったということですかね、資源的な意味で)。それが今や・・・。まこと、先の見通せぬは、朔夜に鵜を求めるが如し、行く末の計り難きは、舞う花びらの落ち着く先を占うが如しですなぁ。 ( ̄w ̄)

さて一方、視点をOPECに移してみると、やはりWTIの如何に関わらずOPECは増産に否定的なご様子。邪推してみればOPECがここまで増産宣言を強硬に拒否するのも、北極圏やブラジル沖といった非OPEC油田からの潤沢な原油供給が始まる前に、可能な限り原油価格の水準を維持・上昇させ、稼げる内に稼げるだけ稼いでおこうという考えがあってのことかもしれません。
更には、北極やブラジル沖からの原油供給が軌道に乗ると同時に大規模増産宣言をして 原油価格暴落を意図的に起こし、北極圏やブラジル沖の油田を採算割れに追い込み、メジャー等のライヴァル勢力を没落させ、より強力な価格支配力を手中に収める・・・これは流石に邪推・妄想のしすぎですかね。(´ヮ`;)
(出典:日経ネット)