2008年7月4日金曜日

第七十八段 百日の鯉? 恋?

『徒然草』第二百三十一段に「園の別当入道は」というお話が御座います。

<あらすじ>
園の別当入道(俗名:藤原基氏 1211年~1282年)という当代一の料理人がおりました。ある日彼も参加した酒宴で見事な鯉が披露されます。宴の出席者たちは誰もが園の別当入道が鯉を見事に捌くさまを見たいと思うのですが(現代で言うところの『料理の鉄人』?)、そんなことを軽々しく言うとミーハーに見られやしないかと思って誰も「名人、ちょっと捌いてみて下さいよ」の一言が言えません。そんな空気を察した園の別当入道は、「ここ百日間ほど鯉を毎日欠かさず捌くことを日課としています。今日それを欠かすわけにもいきませんので、その鯉を捌かせてはもらえませんか?」と言って存分に妙技を振るい、人々はそれを堪能しました。
この園の別当入道の機転に対し、我らが兼好先生は「作為が過ぎている」と批判し、何事も素直で単純なものが望ましいのだという持論を展開したのでした。
※なお、園の別当入道の料理作法は、園流料理として現在まで引き継がれているのが凄い所。

今日のロイターであるニュースを目にした時、この「園の別当入道は」が不意に頭に浮かんできました。
そのニュースとは以下のものです(出典:ロイター

<ニュース内容>
台湾の男が当地郊外のホテルの部屋で、交際相手への愛情表現として複数のろうそくを「アイ・ラブ・ユー(愛している)」の形に並べて火をつけたところ、火災を引き起こしていたことが分かった。地元メディアが3日に報じた。報道によると、火災が起きたのは5月31日。男性がろうそくを点灯した40分後、あらためて2人で部屋に入ったところ、火災に気付いたという。英字紙チャイナ・ポストによると、男性はその後警察に逮捕され、治安を脅かした罪に問われた。

文字通り「燃え盛る愛情」というわけですが、 兼好先生なら恐らく「素直に言葉で『愛してる』と言えばいいのだ。それを下手に興趣を凝らそうとするからこんなことになるのだ。馬鹿者が。」ぐらいのことは言いそうな話ですねぇ。( ̄w ̄)

因みに、このニュースについて管理人が「火災の後、しょんぼりうなだれるヘタレ君を気丈な彼女が『全くあんたって本当に馬鹿なんだから。私がいないと何もできないくせに、下手なことするからこうなるのよ』と責め立てる。それで更にうなだれるヘタレ君。それを見て彼女が溜め息一つこぼした後に、『おちおち放っとくこともできない。いいわよ、あんたの世話は私が全部引き受けてやるわよ!』と言い放つ・・・なんて展開があったら最高に和みませんかねぇ?」と発言した所、知人に「バーカ。現実を見ろ、現実を」と冷たくあしらわれてしまいました。 しょんぼり(´・ω・`)
濁悪穢土のこの世の中、夢の一つや二つ見たっていいじゃん!! ヽ(`Д´)ノ

今回の話とはあまり(というか全く)関係有りませんが、また興味深い動画を見つけたので紹介させて頂きます。
哀調を帯びたメロディーが、盛者必衰の理をしみじみと感じさせてくれる珠玉の動画です。
・・・っていうか、大恐慌時の画像を使い過ぎじゃありませんか? (w
「Wall Street Meltdown」と違って歌詞の字幕がないのが非英語圏住民には少々きついとこですが・・・。