2008年8月25日月曜日

第百四段 米国大統領選本選を前にして

去りし8月23日、米国大統領選における実質的な民主党候補となったオバマ氏が、副大統領候補として外交通として知られる民主党重鎮バイデン氏を指名した。副大統領候補指名で共和党候補マケイン氏に一歩先んじる形である。そして、この後に控える8月25日民主党大会(於コロラド州デンバー)、9月1日共和党大会(於ミネソタ州セントポール)で両党の正副大統領候補が正式に確定し、10月中の両党正副大統領候補による討論会を経て、11月4日の大統領選一般投票で次期米国大統領が誕生することになる。

現状、オバマ氏とマケイン氏の支持率争いは、僅差ながらもややオバマ氏優位で推移している。日本や諸外国のメディアの報道には「もうオバマ氏で決まりでしょう」という雰囲気が漂っているが、それはやや拙速に過ぎる見方のように点額法師には感じられる。

そもそも、前述したように現状ではオバマ氏とマケイン氏の支持率はかなり拮抗している(マスコミが言う所のオバマ旋風なるものが吹き荒れた割に)。それに今回の大統領選自体、下馬評を覆し続けて今に至っていることを忘れるべきではないだろう。

当初、ポスト・ブッシュが囁かれだした頃は「民主党はヒラリー候補共和党はジュリアーニ候補で本選が戦われることになるだろう」という見方が専らだった。しかし実際は、予備選の嚆矢となったアイオワ州で民主党はオバマ候補、共和党はハッカビー候補がそれぞれ勝利を手にした。その後、民主党ではヒラリーVSオバマの熾烈な戦いが繰り広げられた末、初戦勝利の勢いを維持することに成功したオバマ氏が勝利した。共和党では、本命視されていたジュリアーニ候補は団栗の背比べ状態の中から一貫して抜け出せず、寧ろ資金や支持率の面から早期撤退の観測すら出ていたマケイン候補と彼の中道的姿勢に飽き足らない共和党支持層の取り込みに成功したハッカビー候補との一騎打ちに事態は集約していき、最終的にマケイン候補が予備選を制することになった。各候補の支持者やその団体を別にすれば、このような事態の経過を正しく予測できた人や組織を点額法師は寡聞にして知らない。

本選もまた、予備選以上に予想外のことが起きるだろう(そもそもオバマ氏やマケイン氏は党内主流派とは言えない立場に身を置いてきたため、各党の伝統的な支持層(例:民主党における白人労働者層共和党における宗教保守派)への浸透が今一つという弱点を互いに抱えている)。

良くも悪くも唯一の覇権国である米国。その次期大統領が誰になるか(もっと言えばどんな考え方を持った政策集団がホワイトハウス入りするか)は、世界に大きな影響を与える(少なくとも日本にとっては衆院選や参院選とかいうマイナー選挙よりも影響が大きい)。予断や先入観に惑わされず、今後も注目していきたい。

因みに、点額法師個人の現時点の予想では、マケイン候補が本選を制するのではないかと考えている。何故かというと、副大統領候補の政治的カラーにもよるだろうが、宗教保守派は結局「オバマよりはマケインの方がマシだ」と考えて投票行動に移ると考えられること。そして民主党支持層の中でヒラリーを支持した人々が「年齢的にも(本人の意思の面でも)一期で終わるであろうマケイン政権が誕生した方が、大きな失政がない限り二期目も狙ってくるオバマ政権が誕生するよりもヒラリー・クリントンに有利だ」と考えて投票行動をとると考えているからだ(もっとも、この予想は10月の討論会如何で大きく変更するかもしれないので、あしからず)。