2008年12月1日月曜日

第百六十三段 EU・中国首脳会議は中止されました

当ブログ第百六十一段で取り上げたEU・中国首脳会議ですが、中止となっていたみたいです。しかも中止決定が公になったのが11月26日。そして「会議の帰趨が興味深い」という旨をブログで書いたのが11月28日
・・・・・恥ずかし過ぎるッ!! (/ω\)

中国、EUとの首脳会議取りやめを通告 ダライラマ訪欧で

 【ブリュッセル= 下田敏】欧州連合(EU)は26日、12月1日に仏リヨンで予定されていたEU・中国首脳会議の取りやめを中国が通告してきたことを明らかにした。チベッ ト仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が欧州を訪れ、EU各国の首脳らと会談するため。EUと中国は今年春にチベット自治区での騒乱で対立した経緯がある。 首脳会議の突然の中止で関係が冷え込む恐れがある。

 EUは声明で「(首脳会議中止の)中国の決定は遺憾だ。EUは国際的な金融・経済情勢などで中国と関係強化の用意がある」とした。EU 議長国フランスのサルコジ大統領は12月6日にポーランドでダライ・ラマと会談する予定で、中国はフランスに「(会談には)断固反対する」と伝えていた。(出典:日経ネット)

・・・・気を取り直して、今回の中止による中国とその周辺の国々の利害得失を考えると、以下のようになろうかと思われます。

<日本>
・EUの対中武器禁輸措置の解除が遠のいたという点では悪い話ではないと思われます。
・EUとの連携が難しくなった中国が一気に対米協調外交に舵を切ってきた場合、台湾海峡
 や朝鮮半島を巡る枠組み・合意が、日本の頭越しに米中間で形成されてしまう可能性に
 ついては注意が必要かと思われます。

<中国>
・新鋭兵器の調達源について、当面はロシア依存を続けざるを得なくなったという点で
 失点と言えるかと思います(因みに、ロシアは自国配備のものより能力水準を下げた
 武器を中国に売却しています。その理由は、主に、両国が国境を直に接している、
 そして過去(ロマノフ朝以来)何度も鋭い対立を繰り返して干戈を交えている、といった点
 にあります)
・次代の国際的な経済・政治秩序の形成にあたって、米国に張り合うためのパートナー
 としてEUに積極的な期待が当面は持てなくなった点で失点と言えるでしょう。

<ロシア>
・武器売却のお得意様をEUに奪われる危険性が減ったという意味で、朗報と言えるでしょう。
・共にロシアの原油・天然ガスの一大消費先である中国とEUの連携が見えにくくなったことで、
 強気の資源外交を進め易くなるという点で、朗報と言えるでしょう。

中国にとっても失うものの多いEU・中国首脳会議中止決定ですが、「チベットは誰が何と言おうと手放さない」という中国側の従来通りの意思表示という面の他に、ひょっとしたら中国側は、米国の次期国務長官に親中派と目されているヒラリー・クリントン氏が有力視されるという状況を考慮し、「EUがガタガタ文句を言うならば、我が国は米国と組むぞ」というメッセージも込めて今回の決定を下したのかもしれません。とまれ、巨大な人口と高い経済成長率、世界最大級の外貨準備高を誇る中国との関係が拗れたままというのは、景気後退という課題と新国際金融秩序の主導権確保という野望を有するEUにとっても頭の痛い問題の筈。中国が投げてきた首脳会議中止というボールをEUがどう返すのか、注目していきたいと思います。



でも、本当に恥ずかしい・・・・。 (/ω\)