2009年2月28日土曜日

第二百二十二段 ロシアが原子力空母を建設するようです

世界に空母を持つ国は数あれど(有効に使えているかは全くの別として)、原子力空母を持つは当代の覇権国アメリカ合衆国とフランス。そんな西側の原子力空母独占に異を唱えようとでもいうのか、ロシアが原子力空母建設に向けて動き出したようです。ロシアの通信社Novostiが以下のように伝えております。

Russia to build nuclear-powered

60,000-ton aircraft carrier

MOSCOW, February 27 (RIA Novosti) - Russia's new-generation aircraft carrier will be nuclear powered and have a displacement of up to 60,000 metric tons, a United Shipbuilding Corporation executive said on Friday.

Vice Adm. Anatoly Shlemov, the company's head of defense contracts, said the new carrier was still at the drawing board stage, but its blueprint and basic specifications have already been defined.

He said the carrier will serve as a seaborne platform for new-generation fixed- and rotary-winged aircraft, in particular, a fifth-generation fighter that will replace the Su-33 multirole fighter aircraft currently in service, as well as unmanned aerial vehicles (UAV).

"It will be a fifth-generation aircraft with classic horizontal take-off and landing capability," the admiral said.

Shlemov said, unlike in the past, the new aircraft carrier would not be armed with cruise missiles, which were not part of its "job description."

He said that at least three such carriers were to be built, for the Northern and Pacific Fleets.

The executive offered no timeline on the project, saying it was not as yet clear which shipyard would get the contract.

The new carrier has an estimated price tag of $4 billion.

So far the Russian Navy only has one aircraft carrier, the Admiral Kuznetsov Project 1143.5, built in 1985, with a displacement of 55,000 metric tons, a crew of 1,500, and capability to carry more than 50 aircraft.(出典:Novosti

現在のロシアを見れば、昨今の金融危機や原油・天然ガス価格の下落、海外投資家の離反等で厳しい経済状況下に置かれております。そんな中で打ち出されたのが今回の「原子力空母の建設」です。予算規模としては見積額で40億ドル(米国がGMに支援策第一弾として融資した金額とほぼ同額)、サイズとしては基準排水量60000トン(現在ロシアで就役している唯一の空母アドミラル・クズネツォフ(通常動力)が基準排水量55000トン、最近日本の横須賀に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンが基準排水量81600 トン)と報じられております。

ロシア政府がこのような方針を発表した意図を考えるに、同国のドボルコビッチ大統領経済顧問が金属・鉱山企業救済のために政府による金属の買入に前向きな姿勢を示していること、手許資産に不安の生じたロシアの防衛産業に同国銀行団が総額16億ドルの融資を行った事(出典:Novosti)(今までのロシア政府の動き、そしてクドリン財務相直々に当該融資案件を発表している所等を考慮すれば、今回も各銀行に対してそれなりの政府圧力があったことは想像に難くない)、この2点に着目すれば、今回のロシアの原子力空母建設は一種の公共事業と考えられます。
・・・・かつて大日本帝国が公共事業の一環として戦艦大和等の建設を行ったのと全く同じ匂いがしますなぁ。 ( ̄w ̄;)

まぁ、現状ロシア産で国際的に売れるものと言ったら木材や鉱物といった原材料、天然ガスや石油というエネルギー資源、それと兵器ぐらいしかないわけで(あとは「キャビア」ぐらいか・・・・)、しかも世界的な景気後退やマネーフローの変化で原材料やエネルギー資源の価格は極めて低調。そんな中では兵器輸出に外貨獲得(あと雇用維持)を託すしかないわけで、ならば兵器産業の基盤維持と活性化を狙って政府が梃入れを行うというのも一見するともっともな話。米国の自動車産業支援や各国の金融機関支援政策と似た文脈で理解可能な話ではあります。

ただし、政府支援の結果生産されるものが自動車や「信用」ではなく、安全保障問題に直結してくる兵器というのが今回のロシアの行動の特徴的な所。それに加えて、元来欧米防衛産業の縄張りであったカタールやクウェートといった中東湾岸諸国に対しても、ロシアが最近自国兵器の売り込みを活発化させてきているとか(出典:Novosti)。今回の「ロシア、原子力空母建設へ」というニュースと併せ、米国やEUの反応、そしてロシア離れの進む海外資本の動きが気になる所です。

・・・・それにしても、ロシア産兵器の対湾岸売り込み活発化かぁ・・・・・・。
(△ ̄|||)
ヨケイナコトシナイデヨッ! ロシアサン!!