2009年2月16日月曜日

第二百十五段 減産の波、ニッケルに及ぶ

世界的に不況風が吹き荒れる中、昨年後半から資源国や資源企業にも「減産」を打ち出す或いは既に実行に移したというところが増加してきております。OPECの原油減産然り、ヴァーレやリオ・ティントの鉄鉱石減産然り、三菱商事や住友商事の石炭減産然り、アルコアや中国アルミのアルミ減産然り。ロシアもまた既にOPECに協調する形で原油を減産しております。

そして今度は、そのロシアにあるニッケル生産世界最大手のノリリスク・ニッケル社が、ニッケル価格の下落に耐えかねて、オーストラリア西部でのニッケル生産一時停止に踏み切ったというお話(若干話が逸れますが、考えると石炭や各種鉱物資源減産の舞台はその多くがオーストラリアを舞台としたもの。財政黒字の存在や大きな利下げ余地、そして今にして思えばあまりに強気な資源需給観測等を背景に、一時は世界的な金融危機の安全地帯とも目されていたオーストラリアですが、やはり金融大海嘯を無傷で乗り切ることは叶わないようです)。

Norilsk Nickel suspends Australia

nickel production over crisis

MOSCOW, February 16 (RIA Novosti) - Russian metals giant Norilsk Nickel announced on Monday it was suspending nickel production at its Black Swan and Lake Johnston sites in Western Australia amid falling world nickel prices.

"Today's announcement is largely the result of the prevailing economic climate and its impact on the nickel price. These Western Australian assets are located in prime nickel producing regions and have the potential for further exploration; however market and other conditions have left the Australian business unsustainable given current metal prices," the metals giant said in a statement.

The Black Swan and Lake Johnston nickel enterprises are run by Norilsk Nickel International, a subsidiary of Norilsk Nickel. In 2008, they produced about 25,000 metric tons of nickel in concentrate, the statement said.

"The total workforce at these operations will be reduced by approximately 330 employees by March 2009. A small number of staff will be retained to manage the sites under care and maintenance," the statement said.

"The company is committed to providing full entitlements to those employees whose roles are now redundant and where possible, will assist in identifying alternative employment opportunities," Norilsk Nickel said.

Norilsk Nickel is Russia's largest diversified mining and metals company, the world's largest producer of nickel and palladium, and one of the world's largest producers of platinum, rhodium, copper and cobalt. (出典:Novosti

このノリリスク・ニッケル、記事の末尾にもある様に、ステンレス鋼の原料であるニッケル以外でも半導体原料の一つであるパラジウム生産で世界最大手であり、他に自動車の排ガス浄化用触媒として利用されるプラチナやロジウム、ベースメタルの銅、そしてリチウムイオン二次電池(要するに携帯電話やノートパソコンのバッテリー)の原料に欠かせないコバルトについても世界有数の生産企業で御座います。

そんな大手企業でありながら、一方 では他の金属企業との合併話が「浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・・」しているのが気になる所と言えば気になる所・・・・。「神の見えざる手」ならぬ「政府のこれ見よがしの剛腕」が、世界の耳目を驚かせるような大規模業界再編を引き起こすのでありましょうや?

因みに、通貨ルーブルの急激な下落(結果論では御座いますが、これなら国際的な反発を受けながら自動車の輸入関税を引き上げなくとも(当ブログ第百七十段参照)、為替の動きが実質的な貿易障壁として機能してくれるように思えます)や原油価格の低迷で、さぞやロシア市民は切り詰めた生活をしているのだろうと考えるのが、公的年金も社会保障もあてにできない極東の貯蓄大国に生きる人間の思考。

しかし、意外にロシア市民はケセラセラ精神に富んでいるのかもしれません。そんなことを感じさせてくれたのが、以下の図です。


これはロシアの主要通信社の一つであるNovostiのHPにあったアンケートの投票結果(日本時間22時頃時点)。質問の大意は「金融危機の中であなたが節約するものは?」というもの。食費や娯楽、衣服や旅行といったスタンダードな選択肢に加え、節約対象は無い―――危機の影響がないから、という強気の選択肢が用意されております。日本だと食費や娯楽、衣服や旅行の4選択肢で全回答の9割以上を占めそうなものですが、ロシアでは「節約対象は無い―――危機の影響がないから」が27%以上の得票(因みに、点額法師は衣服に一票を投じました)。

91年のソ連邦崩壊や98年のロシア財政危機を経験した人々にとっては、今回の金融危機はそれほど身構えるほどのものではないってことなんでしょうかねぇ? (w ̄;)

そんなわけで(どんなわけだ?)、「情報源」欄に新たに以下のサイトを追加
Novosti