2009年4月16日木曜日

第二百五十四段 習近平副国家主席、モンゴル首相と会談のこと

2009年4月15日、中国の習近平副国家主席が、モンゴルのサンジャーギン・バヤル首相と北京にて会談したとのニュースを新華社が報じた。
习近平会见蒙古总理巴亚尔
新华网北京4月15日电(记者荣燕)国家副主席习近平15日在钓鱼台国宾馆会见了蒙古总理巴亚尔。

习近平欢迎巴亚尔来华出席博鳌亚洲论坛年会,感谢去年访问蒙古时蒙方给予的盛情款待。他说,蒙古是中国友好邻邦,中方高度重视发展与蒙古友好合作关系。近年来,两国关系不断取得新的发展。双方高层交往频繁,政治互信加深,经贸合作扩大,人民间友好感情进一步拉近。

习近平说,今年是中蒙建交60周年。60年的发展历程给我们留下许多宝贵经验。一是相互尊重独立、主权和领土完整,尊重各自选择的发展道 路,这是两国关系发展的重要基础;二是双方都本着与时俱进的精神,致力于拓展双边关系,这是两国关系生机勃勃的源泉所在;三是双方都视对方发展为重要机 遇,充分利用地缘优势,大力推进互利合作,这是两国关系发展的持久动力。新形势下,中方愿同蒙方一道,以中蒙建交60周年为契机,推动中蒙关系向更高水平 发展,更好造福两国人民。

巴亚尔愉快回忆起习副主席去年对蒙古的成功访问,表示蒙方高度重视发展对华关系,对近年来蒙中关系的发展感到满意,真诚感谢中 方迄今对蒙古提供的援助和支持。他说,中国政府积极应对国际金融危机的举措给世界留下深刻印象,也增强了蒙方克服困难的信心。蒙方愿与中方加强合作,共同 应对挑战,推动两国关系进一步向前发展。

外交部副部长李辉等参加会见。(出典:新華社)

要するに、習近平副国家主席がバヤル・モンゴル首相の博鳌アジアフォーラム()出席を歓迎すると共に、昨年のモンゴル訪問時の盛大な歓迎に礼を述べ、対するバヤル首相は中国・モンゴル関係の重要性と更なる前進の必要性を述べた。すると習近平副国家主席は、今年が中国(人民共和国)とモンゴルとの国交樹立60周年であることを指摘してバヤル首相発言に同意した。また、バヤル首相は中国の援助に対して感謝の意を表すると共に、国際的な金融危機に対する中国の積極的な対応に対し、モンゴル側はそれが奏功するものと確信していることを述べ、今後も中国との協調関係を強化していく意向を表明した。この両首脳の会見には外交部副部長の李輝氏らも出席していた。というのが記事の概要。

しかし、中国(人民共和国)とモンゴルの60年にわたる関係は、友好や信頼のみで語れるほど麗しいものではなかった。
清王朝以来、北京政権の支配下にあったモンゴルは、1920年にソ連の軍事力を背景に独立してからは「ソ連16番目の共和国」と呼ばれるほどの親ソヴィエト路線を採ってソ連軍の領内駐留を認め、そのソ連軍は連邦崩壊のその時まで中国に多大な脅威を与えていた(なお、70~80年代の中国が所謂「日本の戦争責任」について比較的抑制された態度を取り続けたのは、モンゴル領内やシベリアのソ連軍から脅威を受けている中では日本との関係を拗らせたくないという現実的な判断があった。このことは忘れられるべきではないだろう)。
1991年になってソ連が崩壊すると、モンゴルは中国との関係改善に動いて2004年にはオブザーバーとして上海協力機構に参加する一方、2003年のイラク戦争支持やその後のイラク派兵に代表される米国との関係強化、中国と伝統的なライヴァル関係にあるインドとの関係強化、豊富な鉱物資源の外交カード化によって中国の一方的な影響力拡大を牽制するというなかなかに強かな外交を展開している。

そんな背景を頭に入れて、もう一度上記記事で報じられた両国首脳の発言を読むと、相手が美辞麗句を口にする度に心の中で「よく言うよ」と突っ込みを入れている両国首脳の図が浮かんできて妙に笑える。(w ̄)

※博鳌(ボアオ)アジアフォーラム
世界的に有名なダボス会議のアジア版として、中国政府主導で立ち上げられたフォーラム。開催地は中国・海南島の博鰲。オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、日本、イラン、カザフスタン、キルギス、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、韓国、シンガポール、スリランカ、タジキスタン、タイ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナムの26カ国から首脳や大企業経営者、学者、NGO代表等が出席している。