2009年7月6日月曜日

第二百九十六段 サウジ、航空会社を民営化のこと

危機に瀕した金融機関だけかと思えば、売れない車しか作れない自動車会社やら「いつ潰れてもおかしくない」と衆目一致する航空会社、時期的に疑問符の付くMSCB発行で「好況時の1000億円に匹敵する500億円」を用意した筈の半導体製造会社・・・・・、「100年に1度の危機」の掛け声の下、有象無象の企業に対する節操無き公的資金注入が跋扈する何とも嫌な世の中。

そんな梅雨空の如く鬱陶しい経済情勢に、一陣の涼風とも呼べる快事がありました。

快事の発生源はニューヨークやロンドン、東京といった資本主義の中心地から離れたサウジアラビア。快事の内容をUAEの英字紙GulfNewsは以下のように伝えております。
Riyadh: The Saudi Shura Council on Sunday submitted a recommendation that the government review a previous proposal to privatise the country’s national airline carrier, Saudi Arabian Airlines (SAA), the local Arabic daily Al Riyadh reported.

The Council had unanimously agreed that no less than 40 per cent of SAA’s shares be offered to the public as an IPO sale, while the government maintains an ownership of 51 per cent.

The Council also suggested that the airline’s fleet of medium and small aircrafts be expanded. (出典:GulfNews

記事の概要は、サウジが国営航空会社サウジアラビア航空(SAA)を民営化する方針であるというもの。株式の51%はサウジ政府が保有し続けるものの、40%以上がIPO時に売りに出されるとのこと。地域のアラビア語紙Al Riyadh紙の報道として伝えております。

ここで某国の航空業界を見てみれば、何時まで経っても経営改善が進まずに赤字を垂れ流し、長期展望に欠けた経営陣と労組が(仲良く)喧嘩を繰り返してばかりという某国のナショナル・フラッグ・キャリア(これでも一応民営)もあるわけですが、SAAにはそんなだらしない航空会社を反面教師として大きく世界に羽ばたいていって欲しいものです。(´ヮ`)

で、気になるのがこのSAAのIPOで何処の金融機関が幹事となるかというもの。おりもおり、日本の野村證券がサウジで事業を開始するというニュースが伝えられております(出典:日経ネット)。
事業を開始してすぐに現地の大型IPOを射止めるというのはあまりにファンタジー過ぎる展開ではありますが、このSAA以降もサウジの国営企業民営化もそれなりに進んでくるでしょうから、今後が興味深い所ではあります。( ̄w ̄)

・・・・それにしても、資本主義の主流であった北大西洋地域が今回の金融危機で深く傷つく中、中東では今回の件や2009年3月にシリア・ダマスカスで証券取引所が開設される(実際は40年振りの再開らしい・・・・)など、着実に地域内に資本主義が広がりつつあります。
ルネサンス期の賢人マキャヴェッリは『政略論』の中で「繁栄の基は時代とともに移動する」という旨の発言をしていますが、さて、中東は今新たに「繁栄の基」を迎え入れている段階なのでしょうか?