2009年8月23日日曜日

第三百十九段 インドは今日も旱干照り

以前のブログでもふれましたが(第三百十五段参照)、現在インドは少雨乾燥天候に祟られております。その結果、粗糖相場がインドと並ぶ大生産地のブラジルの天候不順と相まって高騰していることはブルームバーグ等の諸経済系メディアに報じられている通りに御座います。

しかし、何も少雨乾燥に弱いのは粗糖の原料たるサトウキビに限った話では御座いません。コメだってコムギだって雑穀類だって乾燥には弱いのです。よって「他の農産物にも粗糖高騰をもたらした悪天候の影響が及び、それが農作物価格高騰に繋がるのでは?」という推測を当ブログ第三百十五段で述べましたが、どうやらその予測実現に向けて力強い支援要素が現れたようです。8月21日のBBCは以下のように伝えております。

India will import food to make up for shortages caused by a drought thought to be affecting 700 million people, the finance minister has said.

The minister, Pranab Mukherjee, did not specify what would be imported and when, saying he wanted to avoid speculation on prices.

The drought is affecting almost half of India's districts.

Food prices have risen by 10% after poor monsoon rains hit sowing. Monsoon rains are critical to India's farmers.

'Grim situation'

Mr Mukherjee said any commodity that was in short supply would be imported to boost domestic stocks.

He said details of the imports were not being revealed, though reports said lentils, edible oils and other staples might be among the foods to be brought in.

The summer rains are crucial to crops such as rice, soybean, sugarcane and cotton.

Concern is also growing in India that international prices of many items such as sugar are increasing in anticipation of its need to import, the BBC's Sanjoy Majumder reports from the capital, Delhi.

The farm minister, Sharad Pawar, said the government would take action to ensure prices remained stable.

He added: "[The] situation is grim, not just for the crop sowing and the crop health but also for sustaining animal health, providing drinking water, livelihood and food, particularly for the small and marginal farmers and landless labourers."

Up to 70% of Indians are dependent on farm incomes, and about 60% of India's farms depend on rains.

Irrigation networks are dismissed by critics as inadequate.(出典:BBC

記事の概容は以下の通りです。
・インドの財務大臣が「旱魃による食料不足は7億人に影響を及ぼしかねず、その不足を補うため、
 インドは食料を輸入する意向である」と述べた。
・財務大臣は何をいつ輸入すべきかについては明らかにせず、供給が不十分なものが対象になる
 ということしか言わなかった。
・食料不足はインドのほぼ半数の地域に影響を与えている。

・食料価格は貧弱なモンスーンが播種期を直撃した後、10%も上昇した。

・モンスーン(夏の雨)は重要な意味を持つ作物としてはコメ、ダイズ、粗糖、コットン等がある。
・インド人の70%以上が農業収入に依存しており、インドの農家の60%程度が雨水頼りの経営である。

以前、中国でも大規模旱魃が発生し、穀物相場急騰ひいてはモンサントやポタッシュ社の株価高騰に儚い希望を抱いたことがありましたが(当ブログ第二百七段)、それはあくまで儚い陽炎に終わりました。というのも、旱魃の悪影響は中国内の農産物在庫放出で相殺されたか、国際的な農産物市場が上昇に向けて動くことはなかったからです。

しかし、今回はインドの財務大臣直々に食料輸入の必要性に言及している辺り、農産物市場の需給逼迫に向けての蓋然性が高まったと言えるでしょう。

怖いのは、経済の多くを農業に依存する人口大国インドで旱魃が発生したことにより、インド経済が冷え込むことでエネルギーや鉱物資源価格に負の影響が出てくることです。しかし、もとよりエネルギーや鉱物資源価格はインドよりも中国を向いて決まることが多い、その上、インド経済の失速が中国経済に甚大な悪影響を及ぼす可能性も低い、これらの要素を考えれば、インドの旱魃悪化が我がポートフォリオに与える影響としては、資源セクター銘柄への悪影響よりは農業セクターに対する追い風としての側面が強いと考えられます。

果たしてインドの旱魃が点額法師ポートフォリオに福音をもたらしてくれるのか否か、今後の展開が興味深い所です。