2009年9月7日月曜日

第三百二十七段 ブラジル次期戦闘機はラファールか?

次期戦闘機計画というと古くはF-2を巡る日米間のごたごた、最近ではF-22を巡るこれまた日米間のごたごたが頭に浮かぶが、旧式になりつつある戦闘機の更改を迫られているのは何も日本の話だけではなく、南米の大国ブラジルもまた、予算規模約40億ドル、購入機数36機という内容で戦闘機更改に向けた機種選定を進めている。

現在候補として残っているのは、米ボーイング社のF/A-18E/Fスーパー・ホーネット、スウェーデン・サーブ社のJAS39グリペン、仏ダッソー・アビアシオン社のラファールの三機種である(ロッキード・マーチンの株主としては、ここにF-16やF-35が存在しないことが残念でならないが・・・・)。各企業はブラジルへの技術移転等も視野に入れながら熾烈な受注合戦を繰り広げていたのだが、ここにきてダッソー・アビアシオン社が頭一つ抜け出したらしい。2009年9月7日のブルームバーグは以下のように伝えている。

9月6日(ブルームバーグ):ブラジルのルラ大統領は6日、フランスの航空機メーカー、ダッソー・アビアシオンから「ラファール」戦闘機36機を購入する交渉について、「大いに進展している」と語った。

ルラ大統領はブラジリアでラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)のインタビューに応じ、数日中にジョビン国防相とダッソーの戦闘機について話し 合うと語った。ダッソーは、「F18スーパーホーネット」を生産する米ボーイング、「グリペン」を製造するスウェーデンのサーブとブラジルの受注獲得を 争っている。

大統領はインタビューで、「協議は順調に進んでいる」と述べ、「ダッソーとの話し合いは大いに進展しており、われわれは良い結果を期待できると思う」と説明した。

ブラジルは昨年10月、軍の近代化を支援する企業の最終候補として、ダッソーとサーブ、ボーイングの3社を選定。ただ、ルラ大統領は今週のサルコジ仏大統領のブラジル訪問中に契約が調印されるかどうかは明言できないとしている。(出典:ブルームバーグ


フランスもブラジルも米国とは一応の友好関係にありながら、地域大国としての誇りを胸に、決して米国に従順とは言えない振る舞いを見せるという点で実に似た者同士である。そんな共通点が両国を近づけたのか、古くはフランス製戦闘機ミラージュⅢをブラジルが採用したり、最近ではフランスがブラジルの原子力潜水艦建造に向けた協力を開始するといった具合に、仏伯両国は一定の軍事協力関係を構築している。今回の次期戦闘機選定でラファールが優位に立ったのもそういった背景があってのことだと言えよう。
もしこのまま首尾よくラファールが受注にまで漕ぎつけた場合、ブラジルは同機初の海外ユーザーということになり、JAS39グリペンとユーロファイター・タイフーンの狭間で存在感が霞んでいたラファールに注目を集める良い機会となるであろうことは想像に難くない。

さて、目を極東に移して政権交代の発生した日本では、F-X計画はどのような決着を見せるのだろうか? 既に2010年度予算の概算要求では
F-X調達経費の計上が見送られた上に、「アジア共同体」や「予算の無駄排除」を旗印とした民主党政権が成立。対中配慮や「福祉優先」の掛け声の下、計画自体無かったことにされそうな気もする・・・・。