2011年3月3日木曜日

第三百四十六段 韓国経済異常あり?

サムソン等一部企業の躍進に注目が集まって久しい韓国だが、最近少し気がかりなニュースがちらほらと出てきたように思う。

近い所では昨日の聯合ニュースが伝えた以下のニュース。

2月の消費者物価上昇、08年11月以来の高水準に
【ソウル2日聯合ニュース】統計庁は2日、2月の消費者物価が前年同月比4.5%上昇したと発表した。消費者物価の前年同月比上昇率は2カ月連続で 同4%台。前月比でも0.7%上昇した。消費者物価の前年同月比の上昇幅は2008年11月(4.5%)以来の高水準となった。

 中東情勢を受けて、石油類が前年同月比12.8%上昇。食料品なども高い物価上昇を続けている。生鮮食品は前年同月比25.2%の大幅増となった。前月比でも0.8%の上昇。

 企画財政部の尹琮源(ユン・ジョンウォン)経済政策局長は、「原油価格の衝撃が予想より大きかった。農産物の価格上昇は気温の上昇とともに緩和されそうだ。ほかの物価も4月以降は落ち着くだろう。ただ、中東情勢という不確定要素がある」と述べた。

  生鮮食品は先月に続いて大きく上昇した。ハクサイが同94.6%、ネギが89.7%、ニンニクは78.1%上昇。ほかにサバ(44.6%)、豚肉(35.1%)なども上昇幅が大きかった。

 エネルギーと食品を除くコア指数は、前年同月比3.1%上昇し、2009年8月(3.1%)以降で最大となった。コア指数は前月比でも0.7%上昇した。

 部門別で前年同月比の増加幅をみると、農産物(21.8%)、畜産物(12.3%)水産物(11.4%)。原油の高騰で工業製品は5.0%上昇した。サービス部門は2.5%の上昇を記録した。

 工業製品の中では、国際金価格の急騰に伴い、金の指輪が19.9%上昇した。そのほか、灯油が19.3%、軽油が14.6%、ガソリンが11.1%の上昇を記録した。


以前にも口蹄疫や天候不順で農作物や食肉の値上がりを伝えるニュースが流れていたが、価格上昇の波がそうした一次産品以外の広い範囲に及んでいることが改めて鮮明になった。

こうなると、単純に考えれば「中銀が物価抑制のために利上げに乗り出してくるぞ」という流れになるのだろうが、実際のところ、韓国中銀の姿勢はあまり利上げに積極的な様には見えず、市場では利上げ観測が後退するなどしている。

物価上昇傾向が鮮明なのに中銀は利上げに慎重。一見すると何とも不思議な状態なわけだが、ふと思い出したのが、東亜日報の二つの記事。

まず今年2月11日に「国民の財産、6分の1が減少 金利上昇局面で最大の不安要因に」というニュースが報じられている。長いので一部抜粋して紹介させてもらう。
住宅ローンは増えたものの、金融貯蓄は減り、家計負債は平均315万ウォンが増加した。同期間、家賃が14%上昇したことも、家計負債が増加した要因と見 られる。40代以上の中高年世帯主や所得下位40%の低所得層であるほど、不動産価値の下落や負債増加という「借金の落とし穴」に陥っている現象が目立っ ており、彼らが家計負債問題の引き金になる可能性が高いことが分かった。

次に挙げるのが、今年1月29日の「カード負債が危ない! 金融界は「第二のカード大乱」を警告」という記事。こちらも長いので一部抜粋

03年のクレジットカード大乱以降、しばらく鳴りを潜めていたクレジットカード市場で再び異常兆候が現れ始めている。

昨年9月末を基準に、経済活動人口1人当たりの保有カードは平均4.59枚。これはクレジットカード大乱直前の02年の4.57枚を超える 数値だ。02年に8万7700人余りに上ったクレジットカード募集人は04年は2万人にまで激減したが、昨年、カード会社間の競争が激化し、再び5万人を 上回っている。


これらに加えて住宅金融支援機構の「韓国の住宅ローン証券化市場」という資料を読むと、09年3月末時点で韓国の住宅ローン残高は約26兆円(なお同時期の日本のそれは180兆円)。うち92%が変動金利で占められているという。

これらの情報をまとめると、なるほど韓国中銀もおいそれと利上げに踏み切れない事情があるのだと良く分かる。

果たして韓国経済、物価上昇と家計負債の双方に目を配って軟着陸を首尾よく成し遂げることが出来るのか? 北朝鮮が金正日政権から次への移行期に入るという難しい時期にある中、韓国経済の変調はすぐさま安全保障環境に跳ね返りかねない怖さがあるだけに、目が離せない状態である。