2011年3月27日日曜日

第三百五十段 北朝鮮とリビアを睨む向こう三ヶ月間

3月も終りが見えてきたこの時期、今後の国際情勢について2つほど気になる報道があった。一つは北朝鮮の食糧事情悪化への警告と支援の必要性をWFP等が指摘しているというニュース。もう一つは現在多国籍軍による空爆が実施されているリビアについて、ロシアから「近々NATOの地上兵力が展開されるのではないか?」という観測が出ていることである。

これら、各機関や識者等が予想した時期を、4~5月の主要政治日程の中に埋め込んでみたのが以下の日程表。

2011年4~7月の主要日程

4月、5月 北朝鮮の食糧難が顕在化(三星経済研究所・董龍昇氏予測
4月中 BRICSサミット(北京)
4月2日~10日 米印海軍等共同演習マラバール2011(沖縄近海)
4月3〜5日 中国の清明節
4月14〜15日 NATO外相会合(ベルリン)、第43回日韓経済人会議(済州島)

4月後半 NATO地上兵力のリビア展開開始(露情報機関筋予測)

4月20日 北朝鮮経済代表団訪米
4月30日 米韓共同演習フォール・イーグル終了
4月30日〜5月2日 中国の労働節

5~7月 北朝鮮の食糧難が顕在化(WFP等予測)
5月2〜6日 IAEA理事会(ウィーン
5月3〜4日 ASEAN+3財務相会合、非公式東アジアサミット財務相会合(ハノイ)

5月7〜21日 APEC高官会合(米国・モンタナ州ビッグスカイ
5月18〜21日 ASEAN国防相会合(ジャカルタ)

5月24日 EU外相理事会(防衛・開発)
5月25〜26日 OECD閣僚会合(パリ)

5月26〜27日 G8サミット(フランス・ドービル)
6月2日 OPEC総会(ウィーン)

6月15日 SCOサミット(カザフスタン・アスタナ)

6月中頃 
北朝鮮の食糧難が顕在化(クリスチャン・フレンズ・オブ・コリア予測)
7月1日 アフガン駐留米軍撤退開始、中国共産党90周年


なお北朝鮮の食糧危機については、WFP等の警告と支援呼び掛けがなされている他、既に米国が「▼必要な水準▼支援の緊急度▼支援した食糧が住民に配給されたかどうかを確認できること」といった条件を付けた上で応じる姿勢を見せており、単純に顕在化する可能性は低いかと思われる(無論、北朝鮮が援助条件についてかたくなな姿勢を示す可能性もないではないが・・・)。
それより興味深いのは、「食料援助を気に米朝関係が一気に進展した場合の日中韓の反応」並びに「国連その他から対北人道援助への参加を日韓が求められた場合の、それぞれの反応」といった所か?

また、リビアに対するNATOの地上兵力展開については、既に露が「リビアに対する地上兵力の展開は同国に対する占領に等しい」として難色を示している。もっとも、「NATOの地上兵力展開」は、現在実施中の空爆によるカダフィ軍の損失、態勢を立て直した反カダフィ軍の進撃具合によって左右される度合いも大きく、未だ流動的と見たほうがいいだろう。ただ6月2日のOPEC総会7月1日からの開始予定となっている米軍のアフガン撤退を睨みながら、各勢力がどのような判断を下していくか、大変に興味深い。

参考資料
<北朝鮮>
・時事通信社 北朝鮮に43万トンの食料援助を=国連、調査結果を各国に説明 2011年3月26日
・聯合ニュース 「北朝鮮経済代表団が来月訪米、VOA報じる」 2011年3月4日
・聯合ニュース 「対北朝鮮食糧支援、米国が条件付きで前向き検討」 2011年3月2日
・東亞日報 「食糧難重なり4、5月がヤマ場 中東・阿の情勢、北朝鮮への影響は?」 2011年2月25日
<リビア>
・RIA Novosti 「Ground operation in Libya could start in April - Russian intelligence」 2011年3月25日
・RIA Novosti 「Military ground operations qualify as occupying Libya - Russia NATO envoy」 2011年3月26日
<主要政治日程>
・JETRO 世界の政治経済日程 2011年2月28日