2013年7月28日日曜日

第四百八十八段 2013年1月1日~7月28日におけるPLAN艦艇の日本列島近海通過動向一覧

2013年1月1日~7月28日におけるPLAN艦艇の琉球諸島海域通過動向一覧。
・・・・と言いつつ、巷間各種報道等で取り上げられた通り、PLAN艦艇が初の宗谷海峡通過をするといった動きもありましたので、
今回からタイトルも「2013年××月××日~××月××日におけるPLAN艦艇の日本列島近海通過動向一覧」に改めます。

また、それに伴って色の割当も以下のように変更しました。
青→北海艦隊
黒→東海艦隊
赤→南海艦隊

さて、上記でも軽く触れましたが、7月の目玉は何と言っても、日本海でロシア太平洋艦隊との合同演習を実施したPLAN艦艇が、
その後、宗谷海峡→オホーツク海→北得撫海峡→太平洋→宮古海峡→東シナ海 と日本列島をほぼ一周する形で帰還を果たしたことでしょう。
言うまでもなく、日本国の太平洋沿岸部には、東京や名古屋といった、同国にとって死活的に重要な経済地域が広がっているわけで・・・・。その沖合を、決して友好的とは言えない、地政学的な利害で対立点が多い国の軍艦が航行した。
もし今後こうした動きが常態化してくるようなら、日本国の安全保障政策に与える影響は非常に大きなものとなるかと思います。

それにしても、7月は東海艦隊が静かでしたねぇ・・・・。


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年月日クラス番号艦名所属艦隊観測地点進航方向
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2013/07/25旅洲型115瀋陽北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/07/25旅洲型116石家荘北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/07/25江凱Ⅱ型538煙台北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/07/25江凱Ⅱ型546塩城北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/07/25福清型881洪澤湖北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/07/13旅洲型115瀋陽北海艦隊宗谷岬西南西250km東進
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2013/07/13旅洲型116石家荘北海艦隊宗谷岬西南西250km東進
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2013/07/13江凱Ⅱ型538煙台北海艦隊宗谷岬西南西250km東進
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2013/07/13江凱Ⅱ型546塩城北海艦隊宗谷岬西南西250km東進
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2013/07/13福清型881洪澤湖北海艦隊宗谷岬西南西250km東進
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2013/07/13旅洋Ⅰ型169武漢南海艦隊上対馬北東110km南進
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2013/07/13旅洋Ⅱ型170蘭州南海艦隊上対馬北東110km南進
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2013/07/02旅洲型115瀋陽北海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02旅洲型116石家荘北海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02旅洋Ⅰ型169武漢南海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02旅洋Ⅱ型170蘭州南海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02江凱Ⅱ型538煙台北海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02江凱Ⅱ型546塩城北海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/07/02福清型881洪澤湖北海艦隊下対馬南西150km北進
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2013/06/08旅滬型113青島北海艦隊種子島東120km西進
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2013/06/08江凱Ⅱ型547臨沂北海艦隊種子島東120km西進
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2013/05/27旅滬型113青島北海艦隊宮古島北東110km東進
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2013/05/27江凱Ⅱ型547臨沂北海艦隊宮古島北東110km東進
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2013/05/27福清型881洪澤湖北海艦隊宮古島北東110km東進
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2013/05/13江衛Ⅱ型566懐化東海艦隊沖縄本島沖南西660km西進
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2013/05/13江滬V型559佛山東海艦隊沖縄本島沖南西660km西進
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2013/05/07江衛Ⅱ型566懐化東海艦隊与那国島沖北東44km東進
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2013/05/07江滬V型559佛山東海艦隊与那国島沖北東44km東進
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2013/04/16旅洋Ⅱ型170蘭州南海艦隊宮古島北東110km西進
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2013/04/16江凱Ⅱ型572衡水南海艦隊宮古島北東110km西進
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2013/04/01旅洋Ⅱ型170蘭州南海艦隊沖縄本島沖南西650km西進
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2013/04/01江凱Ⅱ型569玉林南海艦隊沖縄本島沖南西650km西進
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2013/04/01江凱Ⅱ級572衡水南海艦隊沖縄本島沖南西650km西進
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2013/04/01江衛Ⅱ型572衡水南海艦隊沖縄本島沖南西650km西進
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2013/04/01玉昭型572井崗山南海艦隊沖縄本島沖南西650km西進
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2013/03/30旅洋Ⅱ型170蘭州南海艦隊沖縄本島沖南西640km東進
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2013/03/30江凱Ⅱ型569玉林南海艦隊沖縄本島沖南西640km東進
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2013/03/30江凱Ⅱ級572衡水南海艦隊沖縄本島沖南西640km東進
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2013/03/30玉昭型572井崗山南海艦隊沖縄本島沖南西640km東進
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2013/02/13旅滬型113青島北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/02/13江凱Ⅱ型538煙台北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/02/13江凱Ⅱ型546塩城北海艦隊宮古島北東100km西進
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2013/01/31旅滬型113青島北海艦隊宮古島北東100km東進
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2013/01/31江凱Ⅱ型538煙台北海艦隊宮古島北東100km東進
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2013/01/31江凱Ⅱ型546塩城北海艦隊宮古島北東100km東進
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参考資料
・(日本)防衛省・統合幕僚監部 報道発表2013

2013年7月15日月曜日

第四百八十七段 スエズ運河近況

ムバラク政権崩壊後、不安定な状況下にあったエジプトの国内情勢が、軍のクーデターによって更に緊張の度を増してきているのは、巷間報じられている通り。

そのエジプトにあって国際物流に大きな役割を果たしているスエズ運河(下地図参照)(注1)の近況について、少しまとめてみようと思う。



まず6月27日。反ムルシー派のデモ活動等で緊張が高まってきたことを受け、エジプト軍が運河警備のために部隊を配備したことが報じられた(注2)。
その後もエジプト軍による警備は緩められることなく(注3)、そのおかげもあってか、7月3日にスエズ運河庁トップから「スエズ運河は平常に稼働している」旨の声明が出され(注4)、その後現在7月14日に至るまで同運河の運航に支障が発生したというニュースは流れていない。

まこと慶賀の至りと言うべきであろう(注5)

ただし、こうした平穏が盤石なものとなっているわけではないことは、米第五艦隊で活動中のキアサージARGがスエズ運河にほど近い紅海北部での展開を開始したことからも窺える(注6)。

詰まる所、7月14日までに報じられているものを集めた限りでは、「運航は平常。ただし、それはエジプト軍の警備強化等に支えられたものであって、楽観視はできない」というのがスエズ運河の現状と言えそうである。

注釈
注1.特に最近は、コンテナ船の大型化が進む一方で、アジア・太平洋地域と米東海岸を結ぶパナマ運河がこれに対応しきれず、 スエズ運河経由でアジア・太平洋地域と米東海岸を結ぶ航路の利用が活発化しつつあった。この辺りの事情については、日本海事新聞の7月8日付「北米東岸航路/スエズ経由、じわり増加。大型化にメリット」を参照のこと。
注2.GulfShip Newsの2013年6月27日付「Armed forces deployed along the Suez Canal」を参照のこと。
注3.エジプト軍部隊によるスエズ運河警備の強化については、gCaptainの7月2日付「Egypt Military Steps Up Suez Patrols to Secure Global Trade Link」や日本海事新聞の7月10日付「エジプト海軍/「検査非協力なら拘束」。スエズ運河、政変が波及か」を参照のこと。
注4.ロイターの7月3日付「Suez Canal secured, unaffected by Egypt events: statement」を参照のこと。
注5.もっとも、船舶運賃の上昇やそれによって運ばれる市況商品(例えば原油)の価格上昇が利益に結び付く人、企業にとっては評価は逆になるだろう。
注6.キアサージARGの紅海北部展開については、ahramonlineの7月11日付「US Navy ships in Red Sea move close to Egypt as precaution」を参照のこと。なおUSNI Newsの7月12日付「Updated: No Tasking for U.S. Marines Near Egypt to Intervene in Conflict」によれば当該ARGの紅海北部展開について米軍当局は「エジプト情勢への介入を計画したものではない」旨の声明を発表している。またエジプト情勢や米軍の動きとどの程度関連したものかは不明だが、7月5日にはNATOの第2常設対機雷グループがスエズ運河を通過して紅海入りしている。

参考資料
・ahramonline 「US Navy ships in Red Sea move close to Egypt as precaution」 7月11日
・gCaptain 「Egypt Military Steps Up Suez Patrols to Secure Global Trade Link」 2013年7月2日
・ GulfShip News 「Armed forces deployed along the Suez Canal」 2013年6月27日
・NATO 「NATO Mine Countermeasure Group transits through Suez Canal on its way to the North Red Sea」 2013年7月5日
・USNI News 「Updated: No Tasking for U.S. Marines Near Egypt to Intervene in Conflict」 2013年7月12日
・ロイター 「Suez Canal secured, unaffected by Egypt events: statement」 2013年7月3日
・日本海事新聞 「北米東岸航路/スエズ経由、じわり増加。大型化にメリット」 2013年7月8日
・同上 「エジプト海軍/「検査非協力なら拘束」 2013年7月10日